【2018年 EC業界重大ニュース】 越境EC、第2次ブームの兆し/中国モール販売以外の手法も脚光

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中国の「独身の日セール」は毎年、流通総額の記録を更新

中国の「独身の日セール」は毎年、流通総額の記録を更新

 中国の関税の変更や国際スピード郵便(EMS)の値上げなどで、落ち着いた感のある越境EC市場だが、18年には再び急成長する兆しが見えてきた。
 中国以外でも越境ECで成功事例が増えている。化粧品や健康食品のリピート通販事業者が台湾に進出し、EC事業を拡大させているという話もよく聞く。中古ブランド品の販売事業者は、欧米のECプラットフォームで売り上げを伸ばしている。
 台湾への進出支援を行う事業者によると、「台湾のEC市場に参入する国内事業者が増え、競争が高まったことからCPA(顧客獲得単価)は上昇している。それでも日本よりは低い水準だ。今後は台湾への参入は鈍化するだろう。台湾の次を狙っている事業者も多い」と話す。
 台湾の次の進出国として注目が集まっているのは、ベトナムやインドネシアなどの東南アジアだ。すでに進出支援サービスも登場しており、今後は東南アジアへの進出企業も増えるだろう。
 高止まりしているインバウンド需要を背景に、訪日観光客をターゲットにした越境EC施策も増えている。訪日時に外国人観光客とSNSなどでつながり、帰国後に越境ECで販売を促す取り組みも進んでいる。
 国内で来店した外国人観光客に、購入商品の配送を促し、顧客データを取得して再販につなげようとしている事業者もある。越境ECのチャネルを持つことで、外国人観光客のLTV向上を図ろうとしている。
 中国向け越境ECもさらに市場が拡大しそうだ。中国政府は19年1月以降も越境ECの緩和策を継続するだけでなく、さらに拡大すると発表した。越境ECの優遇税制の対象商品を拡大し、取引限度額も引き上げる。
 手法が広がることでさらに多くの事業者が越境ECに参入しそうだ。

ビックカメラは店内にECMSジャパンによる海外配送用のカウンターを設置

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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