これほど“ペイ”という言葉を聞いた年があっただろうか。メルカリにひも付くメルペイや、ビックカメラが導入を発表したペイペイなど新サービスが乱立した。アマゾンペイ、楽天ペイ、ラインペイといったECプラットフォームによる決済サービスも本格展開した。EC事業者各社は、採用するサービスを吟味している。
楽天はECモール楽天市場の決済手段を、楽天ペイに集約する方針でサービスを展開している。楽天ペイを利用する消費者は、楽天IDに登録したクレジットカード情報で、楽天市場以外の通販サイトでも支払いが可能。ポイントがたまるというメリットもある。
ただ、楽天市場店に出店する事業者からは「これまでより決済管理が複雑になった」(ゴルフEC)といった声も出ている。
ソフトバンクとヤフーは6月、決済事業を手掛ける合弁会社、PayPay(ペイペイ)を設立した。12月4日から、実店舗で決済サービス「ペイペイ」を使った顧客にポイントを還元するキャンペーンを実施。
ペイペイが負担する還元金額が100億円に達した時点で終了するこの企画は、開始から10日で終了した。
キャンペーンの対象となる実店舗を運営するソフマップは「キャンペーンによりECの受注はやや減少したものの、想定したほどではなかった。今後、ECサイトの決済方法としてどのサービスを採用するか検討している」(渡辺武志社長)と説明する。
政府もキャッシュレス決済を推進している。各決済サービスの特徴を分析し、積極的な活用を進めなければ思わぬ機会損失につながるだろう。
【2018年 EC業界重大ニュース】 乱立する”ペイ”/各社、サービス内容を吟味
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