【2018年 EC業界重大ニュース】 楽天、自社物流を本格化/低運賃で導入企業が急増

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三木谷浩史社長が新春カンファレンスで物流を一元化する「One Derivery」構想を発表

三木谷浩史社長が新春カンファレンスで物流を一元化する「One Derivery」構想を発表

 楽天は1月の「楽天新春カンファレンス」で自社物流サービスの構想を発表し、7月の「楽天EXPO」では20年までにすべての商品を自社物流で一元管理する方針を明らかにした。
 9月から物流代行サービス「楽天スーパーロジスティクス」の料金を改定し、新規受け入れの営業を強化している。60—100サイズの荷物を全国一律1個300円台で送る運賃などが出店者に響き、導入が相次いでいるという。
 関係者の話では、「倉庫はかなり埋まってきた。受け入れ態勢を強化するために倉庫の増設も検討している」と言う。
 楽天は荷物の受託からラストワンマイルまで「エンド・トゥ・エンド」のサービスを目指しており、自社配送サービス「Rakuten—Express(ラクテンエキスプレス)」の対象エリアを着々と拡大している。現在は東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪の一部をカバーしている。
 11月にはKDDIグループとの協業の一環としてECモール「Wowma!(ワウマ)」の出店者にも物流サービスを提供する方針を明らかにした。
 物流はスケールメリットを発揮できる領域であるため、多くの利用者を獲得することで、物流サービスをさらに強化できると見込んでいる。
 楽天市場の出店者からは、「当社では実現できない運賃に魅力を感じている。北海道や沖縄でも同じ運賃というのは驚異的だ。ただ、今後値上げをしないとは言い切れないので、その点は少し警戒している」という声も聞こえる。
 倉庫や配送サービスが拡充する中、楽天がどこまでワンストップで効率的かつユーザーメリットのある仕組みを構築できるかが勝負の分かれ目となるだろう。

三木谷浩史社長が新春カンファレンスで物流を一元化する「One Derivery」構想を発表

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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