取り扱う食品を特化させたプラットフォームに出店し、自社商品の販路を広げる事業者が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、実店舗の売り上げが減少した事業者の支援にもつながっているようだ。プラットフォームの運営会社の中には、EC業務に不慣れな出店者にコンサルティングなどを行う例もある。冷凍のケーキやパン、スイカを専門にしたプラットフォーム会社の取り組みをまとめた。
特定の商品ジャンルや分野に特化したプラットフォームが存在感を増している。新型コロナの影響で店舗や卸の売り上げが減少した食品事業者や農家が新たな販路として注目しているためだ。
プラットフォームは、自社ECサイトを開設したり、一般的なECモールに出店したりするよりも、コストや手間を要さないという利点がある。
アマゾンや楽天市場、ヤフーショッピングなどではなく、特定の商品分野に特化したプラットフォームを選んだ出店者は、大手モールの仕組みに対し、「出店料や手数料がかかる上、すぐに売れるわけではない」「広告費が年々上がり、販売しても利益が得られない」などの不満を感じていたという。
特化したプラットフォームは、モールに比べて流通総額や会員規模は小さいものの、「スイーツ好き」「パン好き」といった熱心なファンが、他にはない商品を求めて訪れる可能性がある。ファンから支持を集めるとSNSなどで情報が拡散され、人気に火が付くケースもある。
17年に開設した冷凍ケーキ専門の「Cake.jp(ケーキジェーピー)」では、出店から1カ月で6万個のケーキを販売した事業者も現れている。ケーキジェーピーは6月11日時点で会員登録数は30万人に達している。
冷凍パンを専門とする「パンスク」は今年2月に開設された新しいプラットフォームだが、スタートから2カ月で2000人の会員を集めている。
運営事業者はいずれも今後も会員規模は拡大すると見ている。会員数と出店者数の増加が同時に進めば、ジャンル専門型の食品プラットフォームがネット通販市場の有望な売り場として成長する可能性がある。
■掲載記事
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