キタムラ16年3月期/オムニチャネルでV字回復へ/EC売上480億円目指す

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15年3月期のEC売上高が前期比で減収となったキタムラは、16年3月期のEC売上高が前期比11・5%増の480億円になると見込んでおり、V字回復を狙っている。その原動力になると期待されているのが、オムニチャネル施策だ。店頭での高い接客力を武器に、ネットから店頭、店頭からネットといった相互送客を活発化することにより、EC売上高を伸ばしたい考えだ。
 同社の15年3月期のEC売上高は、前期比1・1%減の430億3400万円だった。楽天やヤフーなどモール店の売り上げが下がったことにより、EC売り上げ全体が減少したという。ただ、「価格競争が激しいモール内で売り上げを伸ばそうとは考えていない」(逸見光次郎執行役員EC事業部長)と話す。16年3月期は、店頭との連携を図りやすい自社サイトの販売を強化し、EC売上高の拡大を図るつもりだ。EC売り上げ拡大の鍵はオムニチャネル施策にあると、同社はみている。
 同社では、ECサイトで店頭受け取りを促し、店頭への送客を図っている。さらに、店舗スタッフは、顧客のECサイト利用を促進するため、ネット会員の勧誘を店頭で積極的に実施しているという。
 15年3月末時点のネット会員数は前期末比69万人増の680万人にまで拡大した。店頭での会員登録を進めた結果、今では会員の約8割が「お気に入り店舗」を登録しているという。「お気に入り店舗」の登録が増えると、ECサイトで商品を購入した際に「店頭受け取り」を利用する確率が高まるという。同社では、登録者の増加が、再来店の促進につながると期待している。
 同社としては、ネット会員の増加を、写真プリントサービスの利用促進にもつなげたい考えだ。

(続きは日本ネット経済新聞 7月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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