〈デジタル市場競争会議〉 検索順位の透明性で賛否/プラットフォーマーにヒアリング

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 政府官邸が主導するデジタル市場競争会議(依田高典座長)は11月上旬、ECモールや検索プラットフォームを運営するデジタルプラットフォーマー(DP)に対するヒアリングを実施。楽天、ヤフー、アマゾン、グーグル、アップルがヒアリングに参加した。ヒアリングでは、ヤフー、グーグル、アップルが、検索アルゴリズムなどの、DPが持つ仕組みを透明化することに賛成した。一方で、楽天は、詳細なアルゴリズムの開示に難色を示した。
 楽天、ヤフーが参加したヒアリングは11月5日に、アマゾンジャパンなどの外資系DPが参加したヒアリングは11月12日に、それぞれ行われた。
 公正取引委員会が10月末に公開した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」では、「DPが、検索アルゴリズムを恣意的に操作して自らが販売する商品を上位に表示して有利に扱うことなどにより、競合事業者と消費者の取引を不当に妨害する行為が独禁法上問題となるおそれがある」ことなどが指摘されていた。ヒアリングでは、検索アルゴリズムの透明性についても話題に上った。
 ヤフー、グーグル、アップルは、検索順位の表示基準について、閲覧可能にすることに賛成する旨の意思を明らかにした。一方、楽天は、「検索表示の詳細なアルゴリズムは最大の営業秘密であり、開示は困難」という見解を示した。
 国内・国外のDP各社が共通して主張したのは、「特定の分野のビジネスモデルを規制することで、イノベーションを阻害する可能性がある」という点だ。「既存の法律を機動的に運用してはどうか」(楽天)といった意見や、「事業者が自主基準を策定し、国が監督するのはどうか」(ヤフー)といった声が聞かれた。
 政府は、DP規制の方向性として、DPのデータの取り扱いや検索表示などについて、DPに対して、正当な理由を説明する義務を課す方針を示している。DP各社からは、「ビジネス判断は関係者間で行うものであり、正当な理由の報告義務の設定には反対」(グーグル)や「過度な報告義務は業務の負担となる」(アップル)といった声が挙がった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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