〈単品通販の広告戦略〉 LINE経由50%の事例も/「LAP」で新規顧客獲得が主流に

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
赤線内が「LINE」アプリのニュース面の広告

赤線内が「LINE」アプリのニュース面の広告

 化粧品や健康食品などの単品通販各社では、LINEが提供する運用型広告「LINE Ads Platform(LAP)」が、有力な広告媒体となりつつあるようだ。年商数億円~数十億円規模の単品通販企業十数社に話を聞いたところ、「新規集客の新たな柱になっている」と話す企業が10社以上あった。「商材によっては、新規顧客の50%がLAP経由で流入してくる」(健康食品通販企業)と話す企業もある。「LINE」は、利用者数が8000万人以上と言われており、利用者の層が幅広く、若者から高齢者向けまで、どんな商材を扱う企業にとっても展開がしやすいようだ。一方で、考査が厳しいため、扱う商材によっては広告出稿できない企業もあるという。

■LINE広告売上の半数に

 「LAP」は、16年12月にスタートした、LINEの広告事業の一つ。LINEの広告事業の売り上げの内、約40%を占めている。「LAP」を利用する広告主のアカウント数は、複数アカウントを持っている企業・ブランドを含めて、8000件以上あるとしている。
 「LAP」の広告は、ユーザーのスマホやタブレットのアプリ「LINE」上の、トークルームやタイムライン、ニュースなどの六つのページに広告が配信される。広告主は配信する位置を指定できない。
 LINEによると、広告運用の効率化に関する学習と自動最適化を、AIが常時繰り返しているのだという。広告主が、広告のクリエーティブやターゲットを設定すると、AIが自動的に、効果的だと思われるユーザーの画面に広告を配信する。
 LINEは、どのような広告の場合に、どの枠への広告の配信が有効なのかについては明らかにしていない。ただ、「LINE」のトークルームを使用中のユーザーのモチベーションと、ニュースを見ているユーザーのモチベーションは、異なる傾向があるという。
 LINEの広告事業本部の種市創氏は、「『LINE』のユーザーは、年代やエリアなどの偏りが少なく、均等にユーザーのボリュームが大きい。他の広告媒体では、ウェブ広告はリーチしづらいといわれている高年齢層へのアプローチも、「LAP」であれば十分に可能だ」と話す。


■公式アカウントと連携

 種市氏によると、「LAP」を利用する美容・健康ジャンルの通販企業の広告主の数は増えているという。具体的な数値は明らかにしていないが、広告主全体の中で決して少ない割合ではないようだ。
 LINEの19年1~9月期(第3四半期)のアカウント広告事業(LAP)の売上高は、前年同期比42.1%増の126億円だった。美容・健康ジャンルの通販企業の広告主の数も、売り上げの拡大と同じペースで伸長しているという。
 「LAP」のメリットの一つは、

(続きは、日本ネット経済新聞」11月7日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ