政府は10月21日、総理官邸が主導して開催している、デジタル市場競争会議ワーキンググループ(WG)の第2回会合を開催、ターゲティング広告の規制に向けた具体的な議論を開始した。WGでは、国内のデジタル広告市場で大手IT企業による寡占が発生していることが報告された。国内外のターゲティング広告やクッキー情報の取り扱いについて、委員らが確認を行った。
WGでは、デジタル市場競争本部事務局が用意したデジタル広告市場に関する資料を基に、今後WGが取り上げるべき議題について議論した。
政府が用意した主な議題は、「デジタル広告市場の競争評価」と「デジタル広告市場におけるデータ取得」。政府は、「グーグルやフェイスブックがデジタル広告市場を寡占している。結果として、プライバシーを巡る問題が顕在化し、さらに寡占化が加速する傾向だ」とする仮説を提示した。
WGの参考資料では、国内のモバイルのOSとブラウザーのシェアの8割以上を、グーグルとアップルが占めている状況が紹介された。SNSとデジタル広告が密接に関連して市場が拡大していることなども示された。
WGの参考資料では、ターゲティング広告の基となるクッキー情報の取得について、欧米の規制の事例や、国内の民間のガイドラインなどが報告されている。
WGの委員らは、政府が用意した議題についておおむね賛同。WGの会合がまとめる報告書を基に、デジタル市場競争本部が規制の指針案を策定する流れとなりそうだ。
政府は同会議での議論を経て、グーグルなどを含むIT企業全体に対して、規制をかけていく方針を示している。
〈政府〉 リタゲ広告規制へ/専門家会議で議論を開始
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