個人間で商品の売買を行うCtoC市場が活気づいている。エニグモが運営している海外ブランドの個人輸入サイト「バイマ」の年間流通額は200億円を突破。同社は今期、広告宣伝費として約12億円を投じ、アクティブ会員数を2年で倍増させる計画だ。GMOペパボは今期の利益の大半を、手作り品専門のCtoCサイトの販促に使う。3月19日にはミクシィが、チケットの二次流通サイトを115億円で買収すると発表するなど、CtoC市場はますます盛り上がりをみせている。
エニグモが04年から手掛けている「バイマ」の15年1月期の流通額は、前期比20・9%増の206億8000万円だった。成約件数は約110万件。
出品者数は同23・5%増の約6万5000人、当期に1回以上購入したアクティブ会員数は同14・5%増の51万4989人に増えている。
集客手段はウェブ広告と検索エンジン対策、ブログからの誘引が中心。14年8月には地方を中心にテレビCMを放送し、ネットユーザー以外への浸透を図った。
前期はiPhone版アプリの提供を開始したほか、サイト内検索機能の改善や返品補償制度の導入で利便性を高めたことも流通額拡大につながった。
16年1月期は広告宣伝費を前期比約8・5倍の12億円に増やす。ターゲットを絞ったウェブ広告などに加え、「テレビや新聞などを使ったマス広告も検討している」(広報担当)と言う。
広告宣伝費を大幅に増やすため、16年1月期の営業利益は同41・3%減の7億200万円に落ち込む見通し。減益の計画は、17年1月期にアクティブ会員110万人を狙うための「先行投資」(同)と位置付けている。
エニグモは今年2月、ライフスタイル系のウェブメディアを運営しているロケットベンチャー(本社東京都)を約6億円で買収した。同月9日にはファッションのトレンドを紹介する自社メディアも開設。メディアから「バイマ」へ消費者を誘導することで、広告以外の集客を図っている。
(続きは本紙3月26日号で)
〈活気づくCtoC市場〉バイマは流通額200億円突破
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