日本郵便/新興企業と物流改善/先進技術の活用成果を発表

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ラピュタロボティクスは、コンベヤーへの荷物の積み下ろしび作業を自動化

ラピュタロボティクスは、コンベヤーへの荷物の積み下ろしび作業を自動化

 日本郵便(本社東京都、横山邦男社長)は2月5日、物流課題の改善を目的に新興企業と協業する、オープンイノベーションプログラムの成果を発表した。先進技術を活用し、庫内作業の自動化や、輸送ネットワークの最適化を実現。今後も他社との協業により、人手不足など物流業界の課題解決策を模索する。
 「ポスト・ロジテック・イノベーション・プログラム2018」には70社が応募した。そのうち日本郵便が昨年10月に採択した2社が、約4カ月間の取り組み成果を発表した。
 Rapyuta Robotics(ラピュタロボティクス、本社東京都、モーハナラージャー・ガジャンCEO)はロボットを活用し、コンベヤーへの荷物の積み下ろし作業を自動化した。今夏までに、大型のロボットアームにより可搬重量を引き上げるとともに、作業時間の短縮も図る。
 エー・スター・クォンタム(本社東京都、船橋弘路社長)は、量子コンピューター(※)により輸送ルートを最適化した。輸送効率化に向けた実証実験を、約30の郵便局がある埼玉県東部で実施。対象エリアで夕方・夜間の局間輸送に充てていた車両数を、1日52便から48便に削減した。
 発表会では、これまで日本郵便と協業を重ねてきたスタートアップ企業も取り組みを紹介。人工知能(AI)により、配達ルートを最適化するオプティマインド(本社愛知県、松下健社長)や、置き配バッグ「オキッパ」を開発したYper(イーパー、本社東京都、内山智晴社長)らが事例を解説した。
 発表会で日本郵便は「われわれの郵便物流事業のオペレーション改革は最優先事項。コスト構造改革を進めなければ、エンドユーザーや通販・EC事業者のニーズには応えられない」(横山社長)と説明した。


 ※量子コンピューター…量子力学を応用し、従来と比べはるかに高速な計算を可能にするコンピューター

輸送ルートの最適化について説明するエー・スター・クォンタムの船橋弘路社長

輸送ルートの最適化について説明するエー・スター・クォンタムの船橋弘路社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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