楽天は1月26日、米スーパー大手のウォルマートと戦略的提携を行うことを発表した。楽天は提携により、9月までに国内で、ウォルマート傘下の西友とネットスーパー事業を開始する。ウォルマートは、楽天の電子書籍サービス「楽天Kobo(コボ)」を、米国の量販店としては独占的に販売する。両社の強みを生かし、成長を加速したい考えだ。
今回の提携で(1)楽天と西友が国内でネットスーパー事業を行う(2)ウォルマートが米国で「楽天Kobo」を販売するーーーの2点を実施する。楽天の三木谷浩史社長は、「世界でも類を見ない強力なタッグが誕生する」と期待している。
楽天と西友はネットスーパー事業を共同運営する新会社を設立し、7~9月にサービスを開始する予定。新サービスの名称は「楽天西友ネットスーパー」。楽天スーパーポイントを活用できるようにするとともに、楽天市場の人気商品も取り扱う。
年内にネットスーパー専用の配送センターを開設する。新センターでは生鮮品も扱う。西友のネットスーパー事業よりも配送地域を拡大し、配送件数を大幅に拡大できる体制を構築。西友の店舗網を生かした配送網も維持し、店舗からの配送とセンターからの配送を組み合わせた「ハイブリッド型」サービスで成長を図る。
ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは、「英国では20年前からネットスーパーを実施している。米国でも近年、急拡大しており、拠点数は2000に達する規模がある」と話し、ネットスーパー事業の知見を国内でも生かせると説明した。
楽天が展開しているネットスーパー事業「楽天マート」は、「楽天西友ネットスーパー」に統合する。三木谷社長は楽天マートを撤退する理由について、「スケールや品ぞろえを考えた上での判断。西友の340店舗を生かしたハイブリッド型の方が効率はいい」と説明する。
ウォルマートは5月に「楽天Kobo」の端末や電子書籍のネット販売を開始し、8月ごろに実店舗でも取り扱いを始める予定だ。
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