大手の家具販売会社がECサイトとの連携を進めている。店舗では接点のなかったユーザーを新たに取り込むことで売り上げの拡大につなげていくのが狙いだ。ニトリは都市部への出店を強化する一方、店内の商品バーコードをスキャンするだけで注文手続きが行える機能を自社アプリに追加した。店舗のショールーム機能を高め、ECサイトの利用者を増やす。大塚家具はスマホやパソコン上でVR(仮想現実)を使った商品検索サービスを導入。9月にはロコンドが運営する家具のECサイトに商品を出品した。VRや外部モールを活用して売り上げ拡大を目指す。
■店舗をショールーム化
ニトリは6月30日、自社アプリに「手ぶらdeショッピング」の機能を追加した。店舗の売り場に記載している商品バーコードを読み取り、アプリ上の買い物リストに商品情報を保管する。買い物リストからECサイトにアクセスし、商品の購入や発送の手続きを行う。ユーザーにとって商品の持ち運びや、棚に戻す作業を省くことができる。
アプリを経由して注文があった商品は、神奈川、大阪など全国7カ所のセンターから発送する。店舗では在庫を保管するスペースが限られているためだ。人口の多い都市部の店舗では、発送を希望するユーザーが多く、利便性を向上させることで集客を高める狙いがある。
アプリ導入の成果について、「7月末時点の調査で、アプリを使ったユーザーは購入単価が一般ユーザーに比べ1.5倍高かった。1回に20~30品目購入するユーザーもいた」(広報部)と説明。今後も需要拡大が期待できるとしている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」10月12日号で)
家具販売会社/ECと連携強化/アプリやVRで売上拡大へ
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。