消費者契約法専門調査会/広告規制へ反対意見目立つ/意見公募と関係団体ヒアリングで

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広告を勧誘と見なす広告規制案に反対意見が多く寄せられている。消費者委員会は11月13日、第21回消費者契約法専門調査会を開催し、「中間取りまとめ」に関する意見受け付けと関係団体からのヒアリングの結果概要を報告した。今年9月発表された専門調査会の「中間取りまとめ」に関し、意見公募を行ったところ、総提出数2450通のうち、広告を勧誘と見なす「勧誘要件の在り方」に関する意見は682件となった。
 意見公募では、広告を勧誘と見なすことにより、事業者に「強い萎縮効果を招く懸念」とする声や、「規制対象となる広告の範囲が広すぎる」「広告に不利益事実をすべて記載することは現実的ではない」として広告規制案に反対する意見が目立った。
 他には、執拗な電話や威迫などによる勧誘を困惑類型として追加するかが問われる「不当勧誘行為に関するその他の類型」への意見が691件、「情報提供義務」への意見が464件となった。これらの意見を踏まえ、経団連の阿部泰久委員は消費者契約法改正により事業者が被る不利益を懸念し、より公平な議論をするよう調査会に訴えた。
 河上正二消費者委員会委員長は、「パブコメで懸念事項が出てきたのは逆に喜ばしいこと」とし、優先的な課題から集中的に取り組んでいくよう調査会に要請した。優先する論点項目は今後の議論で決定する。
 同調査会は今年10月に関係団体からのヒアリングを3回開催した。金融団体、経済団体、広告・報道関連団体など合計21団体が参加し、全団体が広告規制案に反対。勧誘要件の拡大と勧誘文言の置き換えにより事業者の訴訟リスクが不当に拡大するなど、事業者への多大な悪影響を懸念した。
 次回の調査会は11月27日に開催される。パブリックコメントと関係団体からのヒアリングで募った意見を踏まえて審議を再開する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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