消費者契約法/大手の法務が改めて反発/消契法改正めぐる説明会で

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大手企業の法務担当者と消費者庁が合同で開催した説明会のようす

大手企業の法務担当者と消費者庁が合同で開催した説明会のようす

 消費者契約法(以下、消契法)改正をめぐり、電通、三井不動産、楽天など大手企業の法務担当者は9月10日、消費者庁と合同で説明会を開催した。参加した事業者からは、消契法改正による企業活動への影響を懸念する声が相次いだ。
 消費者委員会の下部組織にあたる消費者契約法専門調査会が8月にまとめた中間報告では、契約を取り消せる勧誘の対象に広告を含める案などが盛り込まれている。企業側は正当な理由がなく返品を求める事態が増える可能性を示唆し、広告を勧誘の対象に含めることに反対している。
 電通は「どれが『勧誘』に該当したかの判断は難しい」と改めて指摘。三井不動産は「誇大広告などは宅地建物取引業法でも対応しており、業者への罰則もある。新たな規制は混乱を起こす」と反発した。
 モバイルコンテンツフォーラムは、「消費者の利益を害さないものまで無効となってしまうのでは」と懸念を示した。
 説明会は、一般事業者110社127人とメディア関係者15社17人が傍聴した。
 説明会で交わされた議論の内容は、消費者契約法専門調査会に提出される。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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