【ニュースの深層】□□70 制度変更不透明で対策困難/中国越境ECの通関厳格化

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 中国政府は来春、通関制度の改正を予定している。商品検査が厳格化され、原産地や正規品の証明が求められる見通しだ。化粧品や食品は中国の品質基準を満たすことが課せられるという。まだ審査方法や制度の中身が不透明であり、越境EC事業者は対策を練りあぐねている。


 中国への越境ECを本格的に展開する事業者の多くは、保税区の倉庫を活用するケースが多い。保税区の倉庫にあらかじめ商品を置いておくことで、中国の消費者に迅速に配送することができるからだ。
 保税区を活用することで通関が簡易化されるというメリットもあった。ただ、来春、通関制度が変更されると保税区のメリットが一つなくなる。
 制度変更後は一般貿易品と同様に、原産地や正規品であることの厳格な証明が求められる見通しだ。化粧品や食品など体に直接塗布したり、口に入れる商品に関しては、中国の品質基準を順守する必要があるという。行政の許可を得ることが義務付けられる可能性もある。
 通関制度が厳格化されても、中国のEC市場は巨大であり成長性も高いという事実は変わらない。越境ECの取り組みを続けたい日本企業は、通関制度の変更を先読みし、対策を練りたいと考えている。ただ、制度変更でどこまで厳格化されるのかが不透明だという。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月17日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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