【ニュースの深層】□□164 <消費者庁「デジタル班が通販取締強化」> 特商法の誇大広告処分続く(2024年10月17日号)

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 特定商取引法による、通販の誇大広告に対する行政処分が続いている。消費者庁は24年1月以降、通信販売事業者4社に対して、業務停止命令を行っている。執行強化の背景には、消費者庁が23年9月に、取引対策課内に「デジタル班」を設置したことがあるようだ。22年6月に施行した改正特商法では、最終確認画面の表示義務を新たに規定した。こうした違反の取り締まりを強化しているようだ。消費者庁では、「最終確認画面の表示義務違反と誇大広告はセットではないが、同時に違反しているケースが散見される」(取引対策課)としている。今後も通販の誇大広告に対する処分は続く可能性が高そうだ。

■「ナンバーワン表示」も特商法で

 24年1月以降に特商法で行政処分を受けた通販会社は、(1)サン(2)オルリンクス製薬(3)HAL(4)SUNSIRI─の4社だ。4社とも共通して、「誇大広告」と「最終確認画面の表示義務違反」が認定されている。
 より具体的に見ていくと、各社の指摘されている事項は少しずつ異なる。サンについては、「ナンバーワン表示」の違法性が認定された。
 サンは、委託した事業者による調査において、サンが販売している商品と類似する商品4品を選定し比較。その結果を基に、「10冠達成」などと表示していた。
 オルリンクス製薬は、ランディングページの広告で、「24時間365日自動音声で解約可能」としていた表示が、「実際には煩雑な手続きを経る必要があり、容易に解約できない」として誇大広告と認定された。
 HALは、実際の販売価格に比べて著しく高い価格を「メーカー希望小売価格」として表示していた。実際は、HALの自社ブランドであり、「メーカー希望小売価格」は任意に設定した価格だったとしている。
 SUNSIRIは、自社で運用していたウェブ広告に、化粧品の使用前と使用後を比べる動画や画像を表示し、商品の使用によって肌が改善するかのような効果を表示していた。SUNSIRIが消費者庁に提出した資料からは、合理性が認められなかったという。
 4社に対する行政処分は、「誇大広告」という点では共通している。ただ、4社が指摘されたポイントは、「ナンバーワン表示」「虚偽の解除条件」「実在しない価格」「ビフォーアフター」となっており、まちまちだ。


■景表法との二重処分はない

 消費者庁によると、24年以降、特商法に基づく通販に対する行政処分を立て続けに行っている背景には、「デジタル班」の存在があるという。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月17日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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