【ニュースの深層】□□139 <契約書面の電子化> 「適合性確認」は都度必要(2023年6月1日号)

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 6月1日、改正特定商取引法に基づく書面の電子化の制度が施行される。書面の電子交付については、電子交付を希望する消費者に対して、「電子交付が可能な端末を有しているか」や「交付した電子書面を保存したり確認したりできるか」を確認する「適合性の確認」が義務付けられている。消費者庁によると、適合性の確認は、交付する書面ごとに都度必要だとしている。電子交付を行うのは、事業者と契約した販売員でも可能としているが、適合性を十分に確認することができるよう、ITリテラシーが求められるようだ。

■電子交付は時間がかかるか

 書面の電子交付に関するガイドラインにおいては、実際に販売の現場で書面の電子交付を行う際の手順を示している。
 連鎖販売取引の場合、電子交付を希望する消費者に対して、まず、概要書面ついて、電子交付の説明と、消費者が電子交付に適合するかの確認、電子書面を第三者にも提供するかの確認を行う。確認を行った後、電子交付に承諾したことを証する書面を交付する。電子交付の承諾を証する書面の交付後に、概要書面を電子交付する。
 続いて、契約書面についても同様に、電子交付の説明や適合性の確認、第三者への提供の確認、承諾を証する書面の交付、契約書面の電子交付を行う。
 注意すべきポイントは、概要書面と契約書面のそれぞれについて、適合性の確認を行うこと必要があることだ。概要書面も契約書面も電子交付するからといって、適合性の確認は概要書面の交付の際に行うだけで良い、ということにはできないという。
 概要書面については、承諾を証する書面を電子交付することも可能となっている。契約内容を示した概要書面を、消費者がいち早く確認できるようにするための仕組みだとしている。
 ただし、契約書面については、契約書面の電子交付に承諾したことを証する紙の書面が、消費者に到達した後でないと、契約書面の電子交付を行うことはできないとしている。
 つまり、消費者が契約書面の電子交付に承諾した場合、電子交付の説明や適合性の確認を行った後、承諾を証する書面をその場でプリントアウトして渡すか、郵送して後日届いてからでないと、契約書面の電子交付ができないということになる。


■「トップリーダーに研修」

 ネットワークビジネス(連鎖販売取引)では現状、勧誘を行った会員や販売員が、契約に承諾した消費者に対して、その場で契約書面を交付している。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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