家具のECサイト「Hommy(ホウミー)」や体験型店舗を運営するテックアット(本社東京都、延山勇貴代表)はこのほど、東京地裁に自己破産を申請し、破産開始の決定を受けたことが分かった。負債総額は約22億円に上る。体験型店舗を運営していたが、商品の販売が振るわず、収益が確保できなかったようだ。
テックアットは20年6月、「Hommy」の前身となる「TOKYO MODERN(トウキョウモダン)」を開設した。21年9月には、EC限定商材を中心に取り扱う体験型美容商材ストア「new me(ニューミー)」を開設。東京・新宿区の商業施設「新宿マルイ」や大阪・大阪市の「イオンモール大阪ドームシティ」などに積極的に出店していた。
体験を重視した実店舗では、無料体験などの企画やインフルエンサーの発信力を活用し、集客を強化していた。
実店舗では、企業に自社商品の陳列を促す営業も行っていた。販売できなかった商品は、テックアットが買い取るという契約を締結していた。陳列期間中に販売できない商品が多数発生し、買い取り費用が膨らんだとみられる。
23年8月30日に新宿マルイ店に「閉店のお知らせ」を掲示し、全店舗を閉店した。事業活動は停止状態となり、SNS上で投資家や顧客企業からの問い合わせが相次いでいる。
破産管財人に選ばれた東京富士法律事務所は、今回の破産申請を受け、「化粧品メーカーなど、テックアットに商品を預けている債権者に関しては、連絡をいただけたら順序対応していく」と話す。
テックアット/家具ECが破産/負債総額は約22億円(2023年9月28日号)
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