菓子のネット通販を手掛ける紀の国屋(本社東京都、曽我部岩雄社長)が5月16日、東京地裁へ自己破産を申請したことが分かった。若年層の獲得に失敗し、売上高は年々減少をたどっていた。近年の原材料高騰も影響し、継続的に売り上げを獲得できないと捉え、廃業を決めたとしている。
紀の国屋は、「相国最中」や「おこじゅ」などの人気商品を開発した和菓子メーカー。ネット通販のほか、東京・武蔵村山市にある本店や、東京・立川市に構える商業施設「立川ルミネ」などへ出店し、販路を拡大してきた。
だが、既存顧客が高齢になり消費行動が減少する中、10~30代の消費者を新規顧客として獲得できなかった。21年5月期の売上高は12億円となり、最盛期の2000年5月期と比較すると、約8億円も減少していた。
今回の自己破産申請に当たり、同社の曽我部社長は「力が至らず残念な結果になってしまった。お客さまには申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と吐露した。
紀の国屋/自己破産を申請/若年層の顧客獲得に失敗(2022年6月2日・9日合併号)
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