【中国EC商戦】 「独身の日」は微増収/日本企業は「消費動向変化」「処理水」影響で苦戦(2023年11月23日号)

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 中国EC最大のセールイベント「独身の日(以下W11、ダブルイレブン)」が今年も開催された。W11終幕後、「天猫(Tモール)」を運営するアリババは、前期比でプラス成長となったと発表した。京東(ジンドン)も、取引量・注文量・ユーザーエンゲージメントが、過去最高になったとしている。2社は昨年、W11の流通総額(GMV)の公表を初めて見送った。昨年に引き続き、今年のW11の実績も非開示だった。中国の調査会社の星図数据(シントゥン)の発表によると、W11による累計取引額は、前期比2%増の1兆1386億元(1元=20.7円、約23兆5500億円)だったという。微増収は確保したものの、以前のような急成長はストップしたようだ。今年の「W11」で成長を遂げた日本企業もある。一方で、「処理水」などの影響でマーケティングに苦戦した日本企業も少なくないようだ。

■402ブランドのGMV1億元超

 アリババグループの「W11」の開催期間は、プレセールを含めると10月24日~11月11日。11月11日午前0時の時点で、402のブランドでGMVが1億人民元超となったという。3万8000のブランドでGMVが前年実績を上回ったそうだ。
 京東では「W11」開催中、60以上のブランドの取引額が10億元以上になったという。


■GMV7.8%増の日本ブランド

 日本企業では、化粧品・サプリを展開するアクシージアが、今年の「W11」で過去最高の実績を記録したと発表した。セール期間中の、同社が出店する四つのECプラットフォームの越境EC旗艦店4店舗の合計GMVが前期比7.8%増となったという。
 ANAホールディングスが出資し中国市場開拓支援サービスを提供するACD(本社東京都)は、「天猫」「京東」「抖音(ドウイン)」において、「全日空海外旗艦店」を運営し日本の特産品や逸品を販売している。「中国消費が落ち込み日本製品に対する向かい風が吹く中での開催となった。当社ではリピーター向け施策を強化し、『天猫』の事前予約件数は前年比4倍となった」(古居弘道CEO)としている。
 ヤーマンはセール中、「天猫」内の美容機器部門の販売実績で第2位を獲得したという。「美容機器部門」の第1位は中国ブランドだった。


■日本企業は苦戦か

 中国消費者が国産品を選ぶようになってきており、中国ブランドがランキングの上位を占拠する傾向が年々強まっている。今年は「処理水」の影響も大きかったようだ。さまざまな部門で、常連だった、

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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