【千原弁護士の法律Q&A】226 反対する家族からのクレーム対応は?

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(質問)
 私はネットワークビジネス(NB)会社の法務担当です。先日、(一社)全国直販流通協会主催の勉強会に出席したところ、以下のような、NB会社へのクレーム案件が紹介されました。「22歳になってすぐ、娘(会社員)が、友人からNBの勧誘を受け、高額な商品(健康食品と化粧品で10万円位)を購入した。家族と話し合いをした結果、娘は解約を承諾したので、働いている娘の代わりにキャンセルを申し出て、未使用品を返品した。会社も商品代を返金するとのことだったが、また商品が届いたので会社に連絡をした。これは、契約者(娘)から『どうしても解約したくない、親が勝手に解約の手続きをした』『親に脅されて解約手続きをしたが納得していない』とのメールが届き、会社では本人の意思を尊重し、契約を続行した結果、定期購入の商品が届いたものだという。母親からは『一回解約を受理したのに撤回するのはおかしい! 納得できない。』とのクレーム」。このような案件では、どう対応したら良いでしょうか? 本人の意思を尊重する必要はないでしょうか?
      (ネットワークビジネス会社・法務担当)


(回答)
 私も勉強会に出席して意見を述べさせていただきました。特商法適用企業の法務担当者としては、とても参考になる事案だと思います。以下の2つの「原則」をもとに判断していただければと思います。
 原則(1)「消費生活センターは、本人からのクレームよりも、第三者(若年者の場合の『親』、高齢者の場合の『子供』や『民政委員』など)からのクレームを問題視する」
 この原則については、東京都の担当者などが、こうした方針があることを、明らかにしています。本件について、このまま母親の意向を無視し続けると、相当な確率でセンタークレームになることが予想されます。行政は、若年者にNBが広がっていくこと自体に対しても、大きな問題意識を持っていますので、そうなれば明らかに、会社のクレーム1件として、カウントされてしまうことでしょう。
 原則(2)「消費生活センターが問題にするのは、(不適当な形で)商品販売をした、入会させたというものであり、その逆の、商品販売をしない、入会させないことは一切問題としない」

(続きは、「日本流通産業新聞」12月1日・8日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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