【ニュースの深層】□□68 消費者庁 トクホ全品調査の結果公表/現時点では問題は出てこず

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 消費者庁は11月1日、特定保健用食品(トクホ)の関与成分に関する調査結果を公表した。発表内容によると、現在販売されているトクホ製品366品目中359品目について成分調査の結果報告を受けたが、現時点では関与成分が許可申請書の記載通りに適切に含まれていない可能性があるものはなかったとしている。ただ、6社7品目については、現在新たに分析をし直している途中であり、追って結果を公表するという。現在販売されていないトクホ903品目については、今回の成分調査の結果報告の対象とはなっていない。現在販売されていないトクホ製品に対して、消費者庁が今後どのような対応をするのか、注目が集まりそうだ。


 今回の調査は、今年9月に健康食品通販会社の日本サプリメント(本社大阪府、増田毅社長)が、トクホ6製品について取り消しの処分を受けたことが発端となっている。同事案では、トクホの関与成分が許可申請書の記載よりも少なかったり、入っていなかったケースもあったという。この件を受け、消費者庁は9月27日付で、(公財)日本健康・栄養食品協会(日健栄協、事務局東京都、下田智久理事長)に、トクホ中の関与成分量が申請書類の記載通りに含まれているかの調査を依頼していた。公表されたのは、日健栄協が消費者庁に報告した内容を取りまとめたもの。
 今回の調査は、201社1271品目が対象となった。そのうち2社2品目については連絡先が不明で、報告が得られなかったという。ただ、消費者庁は連絡が取れない2社のトクホは「現在販売している形跡がみられない」(食品表示企画課・赤﨑暢彦課長)とし、「この2社2品目について報告が受けられないことによって、大きな問題に発展する可能性は低い」(同)とみている。
 現在販売されている366品目の内359品目については「関与成分が、許可申請書の記載通り適切に含有されていた」(食品表示企画課)と言う。残りの、7品目については「新たに分析を行っており、11月末までに報告を受ける予定」(同)としている。7品目の詳細については「個別の案件には答えられない」(同)とした。「可能性の問題でいえば、日本サプリメントの件と同様、(7品目について)関与成分の含有量などに疑義が出てくる可能性もなくはない」(同)と話している。消費者庁では、7品目について報告を受けた上で、改めて調査結果の発表を行う予定だ。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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