【千原弁護士の法律Q&A】222 登録時の身分確認についてご指導いただきたい

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”将来見据え身分確認制度導入すべき”

(質問)
 弊社はネットワークビジネス(NB)の主宰会社ですが、登録時の本人確認は、登録申請書に記載された内容を信頼するようにしており、身分確認書類の提出等は求めていません。ただ最近、他社を見ると、身分確認書類の提出を求めているところが多いと聞きます。現在の法的な状況や業界他社の動向などについて、ご指導いただけないでしょうか。また、導入した場合、身分確認が出来る書類について、基本的には「免許証・保険証・パスポート・住基カード」を想定していますが、それで大丈夫だったでしょうか。こちらについてもご指導をいただければと思います。  (NB会社社長)


 特定商取引法の連鎖販売規制では、登録に当たって、身分確認をしなければならないと定めた法律はありません。そこで、貴社のように、身分確認をしないことも違法ではなく、また、個人からの申告情報を信用するという方針にも、一定の合理性はあると思います。
 ただ、最近では、若年者らが登録の際に行う「学生などの身分を隠す」「年齢を偽る」「職業に就いていると偽る」などの行為が社会的な問題を生む原因となっています。
 今年の東京都の行政処分でも、「若年者に被害を及ぼす可能性のあるネットワークの広がり」が問題視されていました。また、私が経験した案件の中には、架空の名義を使ったビジネス活動例が散見されるケースもありました。「本当にその会員が存在するのか?」という会員の実在すら怪しいケースもあるのが現状です。
 登録者の調査を行っても、名前も所在も判明しないというようなケースは、やはりさまざまな問題をはらんでいる可能性があると考えたほうがよいでしょう。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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