【千原弁護士の法律Q&A】216 いかにクレーム件数を減らすかが重要に

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(質問)
 弊社は、ネットワークビジネス(NB)を行っており、業界では大手と言われています。2016年になって、NB会社の行政処分が相次いだことで、コンプライアンス、特にメンバーさんに対する教育は、とても重要だと考えています。さらに、特定商取引法の改正法案が国会を通ったことを聞きましたが、この点で、弊社が行うべき対策を教えていただけますか。また、私どもは、メンバーさんに、どのようにお伝えすることが有効でしょうか。 (大手NB会社社長)

回答)
 16年3月に、消費者庁と東京都から、大手NB会社への厳しい行政処分が、相次いで発表されました。NBは再び「受難の時代」を迎えました。NBへの行政処分のほとんどが、メンバー(会員)の皆さんのリクルートを問題としていますので、各社にとって「メンバー対策」はまさに急務と言えるでしょう。
 一方、今回の「特商法改正」のメーンは「違反した場合」に「行政」が「どのような手続きができるか」「罰則を与えられるか」という「執行」部分となっています。
 そこで、改正法に対する「具体的な対策」は特に存在せず、「違反が起こらないように社内体制を整える」こと、特に行政処分の重要な要素である「消費生活センターへのクレーム件数を減らす」という点に絞られると思います。
 それでは、消費生活センターにクレームが行かないためには、メンバーに何をお伝えすれば良いでしょうか? それは、逆に「どうすれば、消費生活センターに行ってしまうか」という点からご説明すると分かっていただけると思います。
 (1)「リクルートに当たって無理をする」
 乗り気ではない人を強引に説得するとどうでしょうか。まず、入会に迷っている段階ならば、消費生活センターに「さくらネットワーク(仮称)はどういう会社ですか?」と問い合わせてしまうでしょう。また、何とか入会にこぎ着けても、クーリング・オフを考え、その方法を消費生活センターに相談します。その中で、メンバーの強引なリクルートが明らかになれば、クレーム情報となります。


(続きは、「日本流通産業新聞」7月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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