【千原弁護士の法律Q&A】215 厳しくなった「グレー表現」規制が背景に

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”勧告受けたライオンへの処分内容のポイントは?”

Q. 少し前に、ライオンが健康増進法違反で勧告を受けたと報道されていました。当社もトクホではありませんが、同じような効果があるとされる健康飲料を扱っています。ライオンへの処分内容のポイントや、当社が注意すべき点などについて教えてもらえますか。また、当社は機能性表示食品も扱っていますが、こちらについては、いかがでしょうか。 (健康食品通販会社社長)


A. 消費者庁は2016年3月1日に、ライオンに対し、健増法に基づく勧告を行ったと発表しました。「トマト酢生活トマト酢飲料」というトクホ食品について、「酢酸を含んでいて、血圧が高めの方に適した食品です」という広告だけが認められていたのに、血圧の低下作用があるような広告を出稿していたことが問題とされました。
 健増法に基づく、初の勧告(社名公表)という意味でも注目されましたが、サプリメント事業者にとっては、(1)「50・60・70・80代の方に朗報!」「毎日、おいしく血圧対策。」「〝薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい〟そんな方々をサポートしようとライオンが開発した『トマト酢生活』。」のような、いわゆる「グレー」とも取れそうな表現についても、明確にNGと判断されたこと(2)「体験談」もはっきりとNGとしたこと(3)かなりの費用をかけて、トクホ許可を取得していたと思われるにもかかわらず、許可の範囲をやや(?)超えた表現がNGとされたことーーの3点の方がショッキングだったかもしれません。
 さて、最近、当コーナーの景表法関連の質問への回答でも書きましたが、消費者庁は、効能効果の表現の後に「……」「?」「!」マークを付けたり、「○○をサポート」などの表現を使ったりした、いわゆる「グレー表現」についてもどんどんNGと判断して、景表法に基づく処分を出すようになっています。ライオンへの勧告は、これらの判断の延長線上にあるようにも思います。


(続きは、「日本流通産業新聞」6月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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