【ヒットの秘密】顧客とともに開発 <「ＺÛ―ＢＯＮ ｂｙ ｈａｌｍｅｋ」>／予測を上回る水準で推移（2025年2月20日号）

　女性誌で最多の販売部数を誇る雑誌「ハルメク」を発行するハルメク（本社東京都、宮澤孝夫社長）は２４年９月、５０代以上の女性向けオリジナルパンツを販売するブランド「ＺÛ―ＢＯＮ　ｂｙ　ｈａｌｍｅｋ（ズボン・バイ・ハルメク）」の本格展開を開始した。初速は好調で予測を上回る水準で推移しているという。ハルメクの強みでもある顧客の声を把握し、悩みを解決する商品を開発した。
　「大人の体形によりフィットして、多くの人の悩みを解消する新しいパンツを作りたい」という思いから「ＺÛ―ＢＯＮ　ｂｙ　ｈａｌｍｅｋ」を立ち上げた。
　「大人の女性は年々感じる自分の体形変化に悩んでいる人が多い。特にお腹やお尻などは、年齢による体形変化を顕著に感じる部分。『ハルメク』世代の女性は圧倒的にパンツ派の人が多いが、ベストなパンツを見つけられず、世の中では妥協して買っている人も多いということが分かっている。その中でも『ハルメク』のパンツは今までたくさんの人に選んでいただいてきた。もっと多くの人に『ハルメク』のパンツの良さを知ってもらい、『ここに来たら必ず欲しいパンツが見つかる』というお店を作りたいと思っていた」（デザイナー・イソヤエリコ氏）と話す。
　商品の開発段階では、「ハルメク」の顧客を招き、試着会を複数回開催した。合計で１２０本のサンプルを試しながら、履き心地などをヒアリングした。その中で特に生地のストレッチ感に注目が集まったという。
　その結果、「ＺÛ―ＢＯＮ　ｂｙ　ｈａｌｍｅｋ」では、スムーズな脚の動きを実現するため、内側にマチを入れた。さらに股部分のつなぎ目をなくしたオリジナルの「美ムーブマチ」構造で美しさと足さばきの快適さの両方を実現した。
　商品は「プルオン（総ゴム）」タイプと「前開き」タイプを販売している。「プルオン」はウエストがゴムのため、引っ張るだけで手間なく履くことができる。「前開き」タイプはボタンとファスナーで開閉する。ユーザーの利用シーンに合わせて、２パターンを用意した。
　「どちらも『美ムーブマチ』を採用しているため、快適できれいに履くことができる」（同）と話す。