【ニュースの深層】□□167 <サブスク振興会、サブスク大賞を発表>/今年のトレンドは”趣味領域”(2024年12月12日・19日合併号)

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グランプリは「AI英会話スピークバディ」

グランプリは「AI英会話スピークバディ」

 一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(サブスク振興会、事務局東京都、佐川隼人代表理事)は12月4日、最も躍進を遂げたサブスクリプションサービスを表彰する「日本サブスクリプションビジネス大賞2024(サブスク大賞)」を開催した。グランプリにはスピークバディが運営するAI(人工知能)と英会話ができる英会話アプリ「AI英会話スピークバディ」を選出した。今回のサブスク大賞では、物販系のサービスを展開している企業の受賞が少なかった。前会長の美園直人氏は今年のサブスクサービスのトレンドについて、「もうサブスクが消費者の生活の中に浸透してきていると感じている。どんなサービスが台頭してきても不思議はないが、一つ言えることは、”趣味”の領域にまでサブスクが入り込んでいる」と話す。「サブスク大賞」の詳細と、今年のサブスクトレンド、来年のサブスクトレンドについて、美園前会長に聞いた。

■衣食住は一巡

 「サブスク大賞」では、グランプリに「AI英会話スピークバディ」を選出した。シルバー賞には、MiLが運営する離乳食・幼児食のサブスクサービス「the kindest」、ブロンズ賞にはジギョナリーカンパニーが展開するデジタル資産継承サービス「akareco」を選出した。
 このほか、特別賞にはZenGroupが運営する文房具の越境ECサブスクサービス「ZenPop」、ノーティストの野菜取り放題の月額定額制サービス「はたけビュッフェ」、AZ日本AIロボットの「AIロボットのサブスク」、iMedicalの医療通訳支援サービス「MedicalTalk Global」を選出している。
 昨年は食品関係の物販サービスの受賞が多かった。昨年と今年で、受賞企業が大きく変化している。
 「もうサブスクサービスは世の中に当たり前に存在しているものである。さらに個人的にサブスクサービスにおいて、『衣食住』は一巡したと思っている。消費者はコロナ禍を経て、もう自分好みの衣食住のサブスクサービスを発見しているだろう。そのため、今回のサブスク大賞では、より趣味の領域、自分が成し遂げたいことを実現できるサービスが目立っている。スピークバディなどがいい例だろう」(美園前会長)と説明する。
 物販のサブスクサービスはもう台頭しないのだろうか。美園前会長は、「また周期がまわって、衣食住の物販サービスに注目は集まるはずだ。そのためにも、これからの企業は黒字体質で盤石な経営基盤を整えていなくてはいけない。直近では、経営状況が厳しい企業も多い。来年のトレンドの予測は難しいが、今年同様、自分の願望を叶えることができ、当たり前だが経営状況が健康である企業が頭角を現すと思っている」と話す。


■新会長は町野健氏

 「サブスク大賞」の表彰式にて、サブスク振興会は、新会長にソーシャルインテリアで代表取締役を務める町野健氏が就任すると発表した。町野新会長は25年のサブスク振興会の取り組みとして、主に(1)サブスクビジネスの学習支援(2)サブスク業界への貢献(3)サブスクサービスの創出サポート─に注力すると発表した。
 「振興会として、12月に新たに共創型不正情報プラットフォーム『SubsCield(サブスクシールド)』の提供を開始した。『SubsCield』は主に『不正利用』の課題を解決できるサービスで、25年は同サービスの認知拡大に注力していく。昨年、サブスクサービスに関するガイドラインを策定しており、ガイドラインはユーザーに向けて、今回の『SubsCield』は事業者に向けて提供しており、さらなる健全なサブスク業界に成長できるようサポートしていきたい」(町野新会長)と展望を話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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