【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇109◇ 新規獲得偏重型から、ロイヤル顧客育成に舵を切りたいが(2)…続編(2024年12月5日号)

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【Q】

 最近ロイヤル顧客育成に注力し始めましたが、これまで新規獲得のみに注力してやってきたので何から手を付けてよいか分かりません。また新しい方法を取り入れて効率が良くなるかどうかも不安です。(中堅通販会社)

【A】 ロイヤル顧客育成のためにビジネスモデルを変換する!

◆ビジネスモデルを変換する!

 前回のコラムの最後で「ロイヤル客の育成」について言及しましたが、内容の深掘りが不足していたので、今回はその続きにします。
 現在の通販化粧品ビジネスの主流は、「ECによる単品通販」です。そもそも化粧品通販は、店頭販売や訪問販売の品ぞろえ型販売手法のアンチテーゼからスタートしているので、かつて新聞、TVなどの旧マス媒体での新規獲得時代でも、当然単品訴求が主流でした。メディアがECに移行して、ますますその状況は加速され、端的にメッセージが伝えられる単品通販がメインになったのです。
 しかし化粧品ビジネスは、単品訴求だけでは、ロイヤル顧客育成はできません。その理由は、化粧品は消耗品であり、おのずと商品単価には限界があり、宝石や自動車のように1品で高い客単価を獲得することはできないからです。そのため化粧品単品通販のビジネスモデルは、「多くのお客さまを集客できること」が基本条件になっていました。ところが「ロイヤル顧客育成」は、1人のお客さまに、「なるべく多くの商品を買っていただいて、年間の購入金額を拡大していただく」ことが条件になるので、そもそもビジネスモデルが異なるのです。
 私が推奨しているのは、単品通販という考え方ではなく、美容・化粧に必要なアイテムをある程度品ぞろえした「カテゴリー通販」のようなイメージです。幸い化粧品は複数のアイテムを使用してお手入れをすることが生活習慣に根付いています。そのため代表的な入口商品は不可欠ですが、単品で終わらせるのではなく、必要アイテムをより多く購入していただくことが「ロイヤル顧客育成」には不可欠になります。
 そのためには、品ぞろえを変更し、単品訴求の他に「お手入れ訴求」の情報を発信しなくてはなりません。だからビジネスモデルを大きく変換しなくてはならないのです。


◆新規獲得の方法を変える!

 また、もう一つ大きく変換したいのは、新規獲得の方法です。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月5日号で)

〈プロフィール〉
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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