【千原弁護士の法律Q&A】▼418▲ 返金請求訴訟、和解した方がいいか?(2024年11月28日号)

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<質問>



 当社は、呉服や宝飾品等の展示会販売を行う会社です。弁護士を通して、過量販売等の理由で、2年分の取引約1000万円の返金請求をされました。年齢や判断力にも特に問題のない、裕福な得意客の購入品に関する請求でした。商品がすでに使用されていたこともあり、請求を拒否したところ、訴訟を提起されました。約1年間、訴訟が続いていますが、当社の弁護士からは有利な状況という報告を受けています。ここで裁判所から和解勧告がなされました。当社側で50万円を支払って解決することを打診されています。当社の弁護士からは、そのくらいで済むのであれば、証人尋問の手間を避けるためにも和解をした方が良いとアドバイスされています。当社としては非のない件で訴訟を起こされ、大変な迷惑を被ったという認識です。勝訴できるのであれば、その方が良いと考えています。和解についてアドバイスをください。
        (呉服・宝飾品展示会販売会社社長)

<回答> 勝訴も可能だが、和解に多くのメリットあり



 1000万円を請求された訴訟で、裁判所からの和解案が5%の50万円ということは、貴社の弁護士の意見どおり、明らかに貴社が有利であり、勝訴も十分に可能な案件だと思います。
 私も訴訟で同じ状況になることがよくありますが、私のアドバイスは「和解した方が良い」です。

 現段階で和解解決することについては、以下のような多くのメリットがあります。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月28日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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