【千原弁護士の法律Q&A】▼205▲ クレーム電話への対応はどのように?

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千原弁護士

千原弁護士

<質問>
 当社は、ネット通販をメーンに、各種物販事業を行っており、私は、カスタマーセンターの責任者を任されています。商品クレームに、一つ一つきちんと対応しなければならないことは、よく分かっているつもりですが、最近は、いわゆる〝クレーマー〟のようなお客さまが多く、困っています。どこかでお話を終わらせなければキリがないとは思うのですが、そのまま切ってしまってよいものでしょうか。千原先生のセミナーを聴講したことがあるのですが、そのときは「電話のガチャ切りも問題ない」とおっしゃっていたかに思います。実際そうでしょうか。また、その際、注意すべき点があるようでしたら教えてください。もう一点お聞きしたいのですが、クレームの電話に対して、いま現在は、まず謝罪から入るようにしているのですが、この対応はまずいでしょうか。こちらも以前、千原先生は連載で、「安易に謝罪をしない方が良い」と書かれていたように記憶しております。その点について、より詳しく解説していただけませんか。
    (ネット通販会社カスタマーセンター責任者)

<回答>文書で明確に対応、その後はガチャ切りも

まず、電話の「ガチャ切り」についてですが、以前セミナーでお話しした通り、ガチャ切りをしていただいて全く問題ないと思います。それ以上、話してもムダな、いわゆる〝クレーマー〟の方に対しては、「全てご主張はうかがいました。その結果、弊社としては、これ以上の対応は致しません」と、できれば文書にて、明確にお伝えした上で、その後のご連絡については、電話をガチャ切りされて良いと思います。
 その際、注意しなければならないのは、(1)クレーマーが電話をかけてくる可能性のある全ての部署(本社、支社など全て)に、「ガチャ切り」の方針を徹底することです。
 そうしないと、予想外の部署に電話がかかり、そちらが被害を受けることになります。
 (2)そして、何度電話があっても、絶対に話を聴かず「お話しは致しません」として、ガチャ切りを続けることです。
 そうすると、いつかは諦めます。ちょっとでも相手にすると、すぐに付け込んできますので、全社を挙げて方針を徹底することが大事です。
 続いて、「謝罪」ですが、こちらは、ケースバイケースで対応すべきだと思います。
 私は、各社のカスタマーセンターで「謝罪する場合」「謝罪しない場合」の具体的な基準を作って、それに基づいて運用するのがベストだと思います。
 そして、「会社側に非がない」「謝罪する必要がない」ケースでは、安易に謝罪しないほうが良いと考えています。

続きは「日本流通産業新聞」1月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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