【ニュースの深層】□□166 <総務省、デジタル広告の健全性確保へ> 広告の信頼度低下など懸念、出稿主も対策を(2024年11月28日号)

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 総務省は、なりすまし型の「偽広告」による被害の拡大を受け、質の高いデジタル広告の流通に向けた課題への対処について検討を進めている。デジタル広告は、技術発展や参入企業の増加により、多様化かつ複雑化しているのが現状だ。不適切な広告による被害として、デジタル広告自体の信用の低下や、広告主が意図しないブランド価値毀損なども挙げられる。総務省はMeta(メタ)などのプラットフォーマーや、広告事業に関係する団体と連携し、現状把握やガイドラインの作成を進めているが、デジタル広告を出稿する側である通販・EC事業者も対策が必要といえるだろう。

 警察庁によると、SNSなどにおけるバナー広告をきっかけとしたSNS型投資詐欺の被害が目立つ。SNS型投資詐欺の被害は今年4月をピークに減少傾向にあるが、9月も61億9000万円と高い水準にある。
 SNS型投資詐欺の当初の接触ツールはフェイスブック、インスタグラム、LINEが上位を占め、接触手段はバナー広告が約半数を占める。
 これを受け、総務省は今年6月21日、メタ、グーグル、LINEヤフー、TikTok、Xに対し、広告出稿時の事前審査や偽広告の削除といった対応を要請した。
 不適切な広告においては、事前審査を突破したあとに広告の内容を差し替える手口があることから、削除の実施といった対策も強化する必要がある。
 今年10月に、要請を踏まえた状況をヒアリングし、11月に総括をまとめた。法人による出稿時において、メールアドレスや電話番号の認証だけでなく、登記簿など確認書類の提出といった対応も提案した。


■広告主も対策を

 総務省は適切な広告を適切に届ける「質の高いオンラインメディアの広告配信」の実現に向け、広告主や経営陣に向けたガイドラインの策定を進めている。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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