【千原弁護士の法律Q&A】▼415▲ 税務署や警察からの照会文書への適切な対応とは (2024年10月3日号)

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<質問>


 連鎖販売企業の法務部を担当しています。会員について、税務署や警察から照会文書が届くことがあり、2点質問させていただきます。(1)税務署から、会員Aが税金を滞納しており、取引状況を回答してほしいと、回答書を同封する形で照会文書が送られてきました。会員Aは、当社の主要メンバーであり、できれば回答したくありません。もしくは取引がない旨の回答ができればと思いますがいかがでしょうか。(2)警察署から、会員Bについて、詐欺の捜査に関して、当社との取引状況を回答してほしいという照会書が届きました。会員Bの活動歴はわずかで、当社としては回答しても問題ないのですが、個人情報保護法違反などで、後々クレームが付くのではないかと心配しております。この点はいかがでしょうか。(ネットワークビジネス企業法務担当者)

<回答> 早めに回答し捜査に協力



 まず(1)の税務署からの照会ですが、貴社のご希望は分かりますが、税務署からの照会に回答しないと、税務署は諦めることなく、さらに調査を継続すると思います。
 また、税務署は、貴社の非協力的な対応を受けて、貴社の納税状況についても問題視するようなリスクも考えられます。
 もっと重要な法的な問題もあります。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月3日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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