【千原弁護士の法律Q&A】▼414▲ 「ネットワークビジネスの商品」は重要事実?(2024年9月19日号)

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<質問>



 連鎖販売会社を経営しています。当社の会員は、商品の小売り(店舗はありません)も行っており、一般のユーザーへの販売も行っています(当社とユーザーとの間の契約となります)。今回、2年以上前に、サプリメントを購入いただいたユーザーの弁護士から、「ネットワークビジネス(NB)会社が販売する商品と知らずに購入した。知っていたら買わなかった。訪問販売なので特定商取引法の適用があり、重要事実不告知で取り消す」として全額返金を求める書面が届きました。この主張は成り立つのでしょうか。
                (NB会社社長)

<回答>「重要事項」とは言えず主張は成り立たない



 まず、会員が貴社商品の小売りを行う行為については、基本的には訪問販売として特商法の規制がかかります。無店舗で消費者に販売する行為は、原則として訪問販売に該当します。
 特商法では、消費者から「住居への訪問を請求した場合」は、訪問販売規制はかからないとする例外規定があります。ただし、この例外規定は「住居」に限定され、喫茶店等の住居以外の場所は全て訪問販売とされます。
 また、例外となるのは消費者が何を購入するかすでに決まっているようなケースに限定され、住居を訪問して、その段階で具体的な商品勧誘が行われるような場合も訪問販売となります。
 そう考えるとNB会員が消費者に行う小売り行為のほとんどは訪問販売となり、それを前提にコンプライアンスを構築するべきです。

 具体的には

(続きは、「日本流通産業新聞」9月19日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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