【千原弁護士の法律Q&A】▼413▲ 破産管財人からの通知、どのような対応が必要か?(2024年9月5日号)

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<質問> 



 当社はサプリメントの訪問販売を行っています。今回、お客さまAさんの破産管財人の弁護士B氏から、突然、内容証明郵便形式の通知書が届きました。不実告知があったので、当社とAさんとの過去の全ての契約を取り消し、約50万円分の代金について、未使用分だけではなく、使用した商品分まで返金するようにという内容でした。破産管財人は一体どのような立場で、このような請求をするのでしょうか。また当社は応じなければならないのでしょうか。(サプリメント訪問販売会社社長)

<回答> 根拠なければ完全拒絶の選択肢もあり



 消費者が経済的に破綻して、裁判所に自己破産の申立をすると、裁判所は、登録された弁護士の名簿の中から、破産管財人となる弁護士を指名します。Aが依頼するわけではなく、裁判所がAとは無関係の弁護士を指名します。
 破産管財人の業務は、裁判所の監督・権限のもと、破産者の財産や債務内容を調査し、お金に換えられる資産等を全て現金化、債権者に配当することです(配当するだけの財産が無ければ、配当はなされません)。
 破産管財人は、消費者破産のような小規模な事件から割り当てられます。裁判所によって有能だと認められると、大規模な法人破産や民事再生等の指名もかかるようになります。
 破産管財人の報酬は、

(続きは、「日本流通産業新聞」9月5日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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