【千原弁護士の法律Q&A】▼408▲ 発注したシステムの内容が相違しているため支払いを留保している(2024年6月20日号)

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<質問> 



 当社はシステム開発会社Aに対して、総額2億円にて、基幹システムの発注を行い、納品されたのですが、当社が考えていた使い勝手とはかなり違うため、代金支払いを留保しています。その後、A社の代理人弁護士名義で内容証明郵便が届き、先方の指定の期日までに代金を支払わないと「法的な手続きに移行する」旨が予告されています。こちらを拒絶した場合、その後の「法的手続き」は、どのような内容、進行、またリスクが考えられるでしょうか。              (通販会社社長)

<回答> 訴訟提起され、「仮差押手続」が行われる可能性あり




 A社としては2億円もの案件であり、問題があるとはいえ納品もされたのですから、そのまま諦めず、貴社が支払いを拒絶すれば、実際に訴訟の提起がなされると思います。
 そして金銭請求の本訴訟に先立って「仮差押手続」が行われる可能性があります。
 ご存じかと思いますが、訴訟は、一審だけで1年程度はかかるのが一般的であり、仮に勝訴して、相手方資産に強制執行できる状態になっても、対象の資産がなければ、勝訴判決は”絵に描いた餅”になります。
 そこで、

(続きは、「日本流通産業新聞」6月20日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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