【ニュースの深層】□□152 <グーグルが生成AI用いた検索を導入へ> 全日本SEO協会 鈴木将司代表理事に聞く「SGE対応策」(2024年2月1日号)

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 23年、オープンエーアイが提供するテキスト型の生成AI「ChatGPT」が急速に普及した。検索最大手のグーグルも生成AIの開発・活用を進めている。23年5月には、米国で検索結果ページの最上部に生成AIによる「答え」を表示するSGE(Search Generative Experience=サーチジェネレーティブエクスペリエンス、生成AIを活用した新しい検索体験)の試験提供を開始した。国内でも同8月に試験提供を開始している。SGEは24年に国内外で本格導入される見通しだ。SGE導入により、企業のSEO(検索エンジン最適化)戦略も変化せざるをえない。全日本SEO協会(本社東京都)の鈴木将司代表理事に、SGEの影響や対策について聞いた。

 グーグルの検索エンジンはこれまで、検索結果ページにウェブサイトへのリンクを貼ってきた。しかし、SGEの導入により、検索結果ページから各サイトへ誘導することよりも、いきなり答えを提示することを優先する検索エンジンに生まれ変わるかもしれない。
 SGEはすでにテスト版が公開されており、誰でも手続きをすればすぐに使える。24年2月から海外のグーグルはSGEを本格導入し、生成AIによる答えが検索結果ページの最上部に表示されるようになる。
 通常のサイトへのリンクはその下に表示されるため、表示されたサイトへの流入が減ることも予想される。国内では24年中にSGEが本格導入される見通しだという。


■SGEの影響

 全日本SEO協会の鈴木将司代表理事は、SGEが本格導入されると、これまで「単純な疑問」に答えるだけでグーグルからのアクセス数を稼いでいたページのアクセス数は減ると指摘する。
 「単純な疑問」とは、例えば「?とは」というような用語の解説を求めるクエリ(検索文字列)のこと。そのほか、「職務経歴書 書き方」や、「ビタミンA ビタミンC 違い」という、誰が書いても同じような説明になるものもだ。
 「『単純な疑問』でアクセス数を稼いでいたサイトは、従来のように、多くの検索ユーザーに見てもらえなくなることが予想できる。グーグルの生成AIが検索結果の一番上に分かりやすい文章で簡潔な答えを出すようになる」(鈴木代表理事)と話す。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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