【ニュースの深層】□□143<物流24年問題 「送料無料」表示の見直し> 国交省「川上から改善」(2023年8月3日号)

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送料無料表示の見直しに関する内容

送料無料表示の見直しに関する内容

 トラックドライバーなどの働き方改革に関する法律が24年4月から適用される。適用によって、物流の停滞が懸念される「物流の2024年問題」の解決につなげる。23年6月2日には、政府が抜本的・総合的な対策として「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定した。策定内容の中で、「『送料無料』表示の見直しに取り組む」との明記もあり、通販・EC業界の注目を集めている。この策定を進める国交省は、「川上から改善」を掲げる。消費者庁は「近く売り手側とも意見交換を実施する」とした。「送料無料の表示の見直し」はどのように進むのか、担当者に取材した。

■大手から改善進む

 送料無料表示の見直しに関する内容は、次のようにまとめられている=別表参照。
 「送料無料表示の見直しに取り組む」の部分は、消費者庁の所管となっている。それ以外の内容は、国交省が担当している。
 内容に記されている「トラック事業者をはじめとする物流事業者は荷主企業に対する交渉力が弱く、コストに見合った適正な運賃・料金が収受できていないこと」に対して、国交省の自動車局・貨物課の担当者は、「トラック事業者の9割以上が中小企業。大手事業者と比べ、交渉力やノウハウという観点からみても、弱い立場にある」と話す。
 また、「運送業界は現状、多重下請け構造となっている。末端で働く会社は、最低限の人手やトラックの台数などを揃えて運営している」と指摘した。
 こうした運送業界の構造を踏まえ、「大手中心という明確な方針ではないが、運送業界を変えていくためには、川上から改善していく必要がある。必然的に大手から改善が進んでいく」と話した。
 また、記載にある「運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点」という内容においては、「長距離輸送のBtoBと合わせて、個別配送のBtoCでも同じような問題があることで明記している」と説明した。
 ここまでは送料無料表示の見直しと関わる内容の話は特段なかった。


■生活への影響を考慮

 『「送料無料」表示の見直しに取り組む』とする部分は、消費者庁・消費政策課が担当している。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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