【千原弁護士の法律Q&A】 ▼371▲ 住宅リフォームをまとめて行うと過量販売か(2022年12月1日号)

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【質問】

 当社は訪問販売で住宅リフォーム業を営んでいます。消費者庁のリフォーム訪販への過量販売の通達(2022年6月公表)において、特定の5カ所の工事のうち、1年間に3カ所以上の施工を行うと問題になるということを知りました。当社は塗装工事もよく行いますが、それもリフォームとして上記規制の対象になるのでしょうか。また、塗装を行う場合、足場を共通にして、壁と屋根などの複数の箇所をまとめて受ける場合が多いのですが、これも2カ所とみなされ、問題になるのでしょうか。足場を組む費用は高額であるため、まとめて行うことは消費者にとって利益になると思うのですが。
            (リフォーム訪販会社社長)

【回答】 過量販売規制は「正当な理由ない」販売が対象に

 住宅リフォーム工事の具体的な定義や内容を規定した法令等はありません。
 もっとも、貴社の工事もそうだと思いますが、外壁や屋根の塗装工事は、単に色を塗るだけではなく、塗装方法において建物の劣化を防ぐ、あるいは、耐久性を向上させるなどの目的をもって行われるでしょうから、当然に通達の対象としての「住宅リフォーム工事」に含まれると思います。

 そして、今回の消費者庁の通達では、過量販売に関する「超過要件」の該当性が認められる類型として、「消費者が日常生活において通常直接的に使用しない部位(代表的な例として、床下、屋根、小屋裏、基礎、外壁等。以下「不使用部位」という)について、同一住宅のうち三つ以上の不使用部位について工事を行う契約を締結する勧誘」としており、屋根と外壁をそれぞれ別の部位として書き分けています。

 そこで、足場を共通にするときも、屋根の塗装工事と外壁の塗装工事は「別部位についての二つの工事」と判断されると思われます。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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