【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第27回 2商品の隔月出稿で考えられる効果(2022年11月10日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、「畑を寝かせる」広告出稿の方法を実践しているかのような八幡物産に注目してみた。

■効率的な広告出稿

 媒体に広告を多く出せば、多くの顧客を獲得でき、売り上げも上がる。しかし、費用対効果を考えれば、いわゆるCPОが悪化し、利益率が低くなる可能性もある。そこで、各企業は、常に効率的な広告出稿を検討しているはずだ。
 古くからの言い方で「畑を寝かせる」という考え方があるが、これはもちろん、農業でいうところの「土を落ち着かせて良い状態を保つ」といった方法を広告出稿に当てはめたものだ。特にテレビや新聞などへの出稿を続けることは、莫大な費用がかかる。一定期間「畑を寝かせる」ことがむしろ、投資回収を早めることにつながることもある。
 漫然と広告出稿を続けていては、消費者が広告や商品そのものに飽きを感じることもあるし、その結果、競合商品に消費者を持っていかれるといったことも起きりうるだろう。畑を寝かせている間に別の施策を打つことで、新たな展開を図るといった方法もある。
 インフォマーシャルでも、広告を出し続けるのではなく、ある一定期間、出稿をやめる、あるいは少なくし、再び出稿するという方法をとっている販社を見かけることがある。そんななかで今回注目したのが、数多くの健康補助食品を扱う八幡物産だ。同社では、主に二つの商品を1カ月ごとに交互に出稿している。
 グラフの通り、それぞれの商品の放送分数に大きな増減もなく、整然と出稿している印象だ。
 インフォマーシャル調査会社であるハニーマスタードの山條暁博社長は、「半年出稿して半年休む、決算前だけに大きく出稿するといった会社もあるなかで、八幡物産は昔から言われる『畑を寝かせる』という出稿方法を丁寧に実行し続け、効率的に効果が上げている会社といえるだろう」と話す。


■売れ筋多く好調か

(続きは、「日本流通産業新聞」11月10日号で)

データ提供:(株)ハニーマスタード
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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