【千原弁護士の法律Q&A】▼367▲ NB終了を会員に告知する際の法的ルールは?(2022年10月6日号)

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【質問】

 当社は現在ネットワークビジネス(NB)の組織を運営しておりますが、今後NBを終了し、特定利益のない会員制組織に変更することを検討しております。もしNBを終了するとなった場合、例えば「会員に告知してから〇カ月は終了できない」のような、法的に定められた、何らかのルールはあるのでしょうか? NBを終了する場合の決まりや注意点などがあれば教えてください。また会社の事業自体を終了してしまう場合は、いかがでしょうか。(NB主宰会社社長)

【回答】 規制はないが、事前協議の上での終了が望ましい

 特定商取引法などの関連法律において、「連鎖販売組織を途中で終了してはならない」という規制はありません。そもそも規制自体がないので、「告知から〇カ月は終了できない」ということもありません。
 ただ、会社において、連鎖販売を近い将来終了する方針が明らかなのにかかわらず、そのことを伝えずに、連鎖販売のリクルートを続けると、その段階で入会した人との関係で、特商法違反(重要事実の不告知)や、さらには詐欺等の問題になる可能性があるので、この点の注意は必要です。
 終了の方針が決まったら、すぐに連鎖販売のリクルート活動は中止されるべきです。

 なお、既に入会した会員との関係で、連鎖販売(特定利益の分配)を終了することは、民法上の債務不履行として、損害賠償請求の対象になる可能性は十分にあると思います。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月6日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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