【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第25回 「寝具」の放送分数が増える理由(2022年8月25日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、放送分数が増加するカテゴリー「寝具」に着目してみた。

■独走のオークローン

 インフォマーシャルでここ数年、総分数が増加しているカテゴリーが「寝具」だ。インフォマーシャル調査会社のハニーマスタードがデータ収集を開始した2013年と比較して、21年は2.66倍になっている。この状況を生み出した立役者ともいえるのが、ショップジャパンを運営するオークローンマーケティングだ。同社では多様なカテゴリーの商品のインフォマーシャルを放送しているが、同社内での21年の「寝具」の放送割合は44.7%。17年までは10%台だったものが、18年は35.3%、19年が40.6%、20年が41.3%と増え続けている。
 同社では、低反発マットレス「トゥルースリーパー」の放送を長く続けている。17年末からは、「トゥルースリーパー」シリーズの低反発枕「セブンスピロー」の放送を開始。18年末からは、同シリーズの、保温力のある「ホオンテック掛け布団」の放送を開始した。ちなみに、「セブンスピロー」は、「セブンスピロー ウルトラフィット」へと進化・リニューアルしている。
 「寝具」は、インフォマーシャルの中で王道のカテゴリーではなかった。そんな中、同社はなぜ「寝具」の放送分数を増やしていったのだろうか。同社の担当者からは、「『トゥルースリーパー』はショップジャパンの基盤となるブランドであり、常にブランド力を強化している」との回答が得られた。「寝具マーケットの市場分析から、枕や掛け布団の販売のチャンスが十分にあると見立てて、『セブンスピロー』『ホオンテック掛け布団』とラインアップを増やして販売した」ことが、「寝具」の放送分数が増えた理由なのだという。「人生の3分の1は睡眠であると言われている。睡眠は健康の礎になる大切な要素であると考え、お客さまの悩みが解消されることに努めている」ということだ。
 人生の多くの時間を費やす睡眠というカテゴリーにおいて、顧客の課題解決や要望実現に寄り添った結果、自ずと「寝具」の販売に注力することになったといえそうだ。


■悩みに寄り添う

(続きは、「日本流通産業新聞」8月25日号で)

データ提供:(株)ハニーマスタード
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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