【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇82◇ 超高級化粧品は売れるのか?(2022年6月30日号)

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【Q】

 これまで弊社は、中価格帯のスキンケア化粧品の通信販売がメインでしたが、先日、経営陣から「今後は高価格帯商品を販売する」と言われました。これまでの商品とは全く違うため、どんな販売戦略を採用すればいいのか分かりません。そもそも、通信販売で高級化粧品は売れるのでしょうか。(中堅の通販化粧品会社)

【A】 「超高級品」を通販で売る仕組みを作ろう

◆従来の発想では難しい

 化粧品の通信販売で一番高い商品を扱った経験は6万円のクリームを販売するツールを作成したこと。特許成分をふんだんに使用した商品でした。でもこれは本当にまれな例で、結果もあまり芳しくありませんでした。
 通販化粧品各社の最高級品を見てみると、現状では2~3万円が上限だと思います。ちなみに下限は2500円~3000円が通販というシステムを使って利益を出せる限界のような気がします。
 ではご質問の通信販売で、「高価格帯商品を販売する」ことが可能かということですが、結論から言うと、店頭販売のラグジュアリーブランドに比較して遜色ない情報提供、サービス、イメージ戦略、ブランディグなどを徹底して行えば、可能性がないとは言えません。
 逆に言うと通信販売が、一部の人々に「安いモノを売る業態」と誤解されていることを払拭するいい機会かもしれません。もちろんそのためには従来の通販の発想のままでは難しいでしょう。
 高級品を売るためには、店頭販売と同じ価格帯の商品、もしくはそれ以上の商品価値、サービス、情報提供、イメージ戦略が必要です。
 まず商品開発では、オリジナルの原料や特許成分などで他社と明確な差別化がされていなくてはなりません。しかもそれがレベルの高い有効成分であり、処方についても研究されつくした方法でなければならないと思います。
 そして、その開発プロセスとマッチした美容理論、美容メソッドが確立されていなければなりません。その上で、考え方が反映されたビジュアルやキーワードなど、イメージ戦略(ブランディング)が実施されなければなりません。


◆販売体制の発想転換も

(続きは、「日本流通産業新聞」6月30日号で)

〈プロフィール〉
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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