ニュースの深層】□□41〈東京都 高齢者集中相談〉/3日間で512件の相談健康食品関連は減少

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 東京都はこのほど、関東甲信越ブロック「高齢者被害防止共同キャンペーン」の一環として実施した高齢者被害特別相談の結果を発表した。9月10日から3日間で512件の相談が寄せられ、前年同時期に比べ26件増加した。都内では13年度の相談件数が4年ぶりに増加に転じ、60歳以上の高齢者の相談件数は約3万9000件と過去最多を更新している。高齢者の相談は4月以降、減少傾向にあるものの、契約金額が高額化している。健康食品に関する相談は減少していることが分かった。

 高齢者に特化した集中電話相談は、98年から東京都が中心となって実施しており、今年で18年目。3日間に渡って東京都および23区26市1町と3つの消費者団体で実施された。
 相談者の平均年齢は74・6歳。平均契約金額は483万9000円で、最高契約金額は5600万円だった。契約金額は前年に比べて約2倍に拡大しており、被害金額が高額化している。
 相談の傾向として、消費生活センター、国、都の職員といった行政機関になりすました電話が目立った。「個人情報が漏れているので削除する」「被災地支援に協力してほしい」と言われお金を要求されたり、「簡単なアンケートに答えて」と言われ個人情報を聞き出すといった相談が多かった。また、公社債、未公開株などの購入を勧める「利殖商法」も増えているという。健康食品に関する相談は、「送り付け商法」が減少したことにより、件数は減少傾向にある。
 年齢別では80代以上が全体の26%を占めた。70代以上が2ポイント増えて40%になり、60代以上は5ポイント減り38%となった。高年齢化が進んでいると指摘している。
 契約金額は、10万円未満が153件で最も多く、前年に比べ29件増えた。500万円以上も前年に比べ4件増えて26件になった。
 販売形態別では、店舗購入の134件に次いで、訪問販売が72件と目立った。相談者の構成比では、家族や友人など家族以外の相談が約2割を占めた。

(続きは本紙11月13日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

ニュースの深層 連載記事
List

Page Topへ