【千原弁護士の法律Q&A】▼344▲ 当社商品扱う詐欺サイトで被害も。どう対応すべきか(2021年10月21日号)

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〈質問〉

 通信販売会社を経営しています。最近、当社の商品を販売するかのように見せかけた詐欺サイトが登場しました。問題のサイトに記載された会社名、住所、代表取締役名など、当社と無関係なのですが、取扱商品は当社のものとなっています。詐欺サイトから商品購入してしまったというお客さまから連絡があり、判明しました。お客さまによると、インスタからこのサイトに飛び購入したのだそうです。その際「ご購入後はお近くの店舗にご連絡下さい」との文言があったので、当社の新宿店に連絡が入りました。お客さまへは、「当社とは全く関係のないサイトなので、サイト先に直接お問い合わせ下さい」とお伝えしています。ただ、今後、企業活動には影響を及ぼすことが考えられるため、何らかのアクションを起こすべきだと考えています。例えば、当社のウェブサイト上で注意喚起をしたり、消費者生活センターや警察などに通報したりすることを検討しています。取るべきアクションに付きご助言をいただけると幸いです。また、現在のところ、被害を受けたお客さまには弁済しない方針にしているのですが、この点については問題ないですよね。その他、被害を受けた客さまに対して行うべき対応があれば教えてください。(通販会社社長)

〈回答〉 日本での取り締まりは事実上困難

 最近は、同様の案件の相談が、顧問会社さまからも、非常に多く寄せられています。こうしたサイトの開設者は海外にいる場合も多く、かつアンダーグラウンドなので、日本の法規で取り締まることができないことが多いのが現状です。また、このようなサイトは、海外のサーバーを利用したものが大半であり、日本の法律であるプロバイダ責任制限法による削除請求を行うことが事実上困難となっています。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月21日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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