【千原弁護士の法律Q&A】▼342▲ 預託法改正受け、「特別会員制度」の対応は?(2021年9月23日号)

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〈質問〉

 ネットワークビジネス(NB)会社です。先日、千原先生のオンラインセミナーを視聴しました。そのセミナーで気がかりなことがありましたので、質問させていただきます。当社では「特別会員制度」を設けています。一定の会員を対象に、100万円の預託を受け、ボーナスの分配率を上げる制度となっています。預託法の改正によって、こうした制度が違法となることを知りました。この点について(1)当社の特別会員制度で預かっている預託金については、特に返金対応する必要はないと理解していますが、問題ないでしょうか。(2)また、今すぐ特別会員制度を終了しなければならないのでしょうか。さらに、(3)金銭の預託を受けるのではなく、100万円で権利を購入していただく制度(返金しない)であれば問題ないでしょうか。この点についてもご教授いただければと思います。(NB会社社長)

〈回答〉 改正法施行前の実施分は返金必要ないが…。

 ご存じのとおり、預託法が改正されるに至った背景には、ジャパンライフやWill(ウィル)、安愚楽牧場などの件で、販売預託商法が社会問題化したことがあります。これらの事件では、大きな被害が発生し、その上、事業者は倒産する等して十分な消費者被害の救済もなされませんでした。

 改正預託法では、販売を伴う預託等取引(3カ月以上の期間にわたり物品の預託を受けることおよび当該預託に関し財産上の利益の供与を約するもの)を、(1)原則として禁止し、違反者に対する罰則規定を設けました。
 その上で(2)原則禁止の対象となる契約を民事的に無効とする制度を創設しました。
 また(3)例外的に認める場合には、厳格な手続きの下、消費者庁が個別に確認を行うことになりました。

 改正前の預託法では、

(続きは、「日本流通産業新聞」9月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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