【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第16回 時代に逆行するCDの放送分数を維持する販社(2021年8月19日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、一般的には人気がなくなりつつあるとされる「CD・DVD・Blu―ray」のカテゴリーに注目する。

■減少するCDの生産

 インフォマーシャルではさまざまな商品が放送されるが、将来、消えてしまうかもしれない商品カテゴリーもある。その一つが、「CD・DVD・Blu―ray」だろう。とくにCDは、配信サービスを利用して楽曲を購入する方法が圧倒的に増え、またYouTubeなどの動画プラットフォームでおカネをかけずに音楽や動画を楽しむことすらできるようになっている今、存在感が薄くなって当然といえる。
 (一社)日本レコード協会のホームページを参考にしてみても、CDの生産実績は年々減少している。2013年を見ると、約1億8873万7000枚(邦盤・洋盤合計、以下同)のCDが生産されていたが、20年のCDの生産実績は約1億393万1000枚。約45%も減少している。
 インフォマーシャル調査会社であるハニーマスタードがまとめたデータによると、もちろん、インフォマーシャルでも「CD・DVD・Blu―ray」の放送分数は減少している。13年の1年間の、同カテゴリーの放送分数総計が10万9337分であるのに対して、20年の1年間は6万5693分となった。CDの生産実績と同じように7年間で約40%も放送分数が減少したことになる。
 しかも、「CD・DVD・Blu―ray」は、ほかのカテゴリーと比較しても、もともと放送分数が下位のカテゴリーだ。ただ、インフォマーシャルでの印象がそれほど薄いとも思えないカテゴリーといえるのではないだろうか。「夜中にテレビをつけたら、懐かしい音楽が流れてきて、見るとCDのインフォマーシャル。チャンネルを変えられなくなってなんとなく聞き入ってしまった」という経験を持つ人も少ないないだろう。
 そんなインパクトを、消費者に植え付ける立役者となっているのが、燈音舎(本社東京都)だ。


■放送分数を維持

(続きは、「日本流通産業新聞」8月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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