【千原弁護士の法律Q&A】▼329▲ 薬機法改正ではサプリや化粧品も規制対象に?

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〈質問〉

 サプリメントと化粧品を消費者に販売する会社を営んでいますが、今般の薬機法改正によって、虚偽や誇大広告に対する課徴金制度が導入され、医薬品だけではなく、サプリや化粧品の広告についても課徴金が課せられるという報道に接しました。ということは当社も規制対象でしょうか。どのような表現をすると、課徴金の対象となるのでしょうか。また、サプリや化粧品の違法広告については、もともと景表法の規制があり、景表法に基づいての処分がされると認識していましたが、こちらとの関係はどうなるのでしょうか。さらに当社はネットワークビジネス(NB)会社なのですが、会員の違反なども対象となるのでしょうか。(サプリメント・化粧品NB会社社長)

〈回答〉 医薬的な効能効果があれば規制対象に

 報道のとおり、2019年11月に改正薬機法が成立し、2020年から段階的に施行されており、その中で、医薬品「など」の効能、効果、製造方法等について、虚偽や誇大な広告を行った場合は、「売上高」の「4.5%」の課徴金が課せられます。改正前は薬機法違反をしても、経済的な制裁は200万円までの罰金であったため、もっと「不当な収益を取り上げるべき」という意見から改正されることになりました。

 薬機法の対象は、承認された医薬品等ですが、広告規制に関しては、サプリメントについても、医薬的な効能効果に関する内容であれば、薬機法規制の対象となります。今回の改正内容は、当然に貴社についても適用されます。ちなみに、課徴金制度については今年2021年の8月から施行されます。
 これまで、ダイエットサプリ会社が、「サプリを飲めば簡単に痩せられる」旨の表示をして、たびたび「景表法」における優良誤認として処分を受けています。2020年3月には、サプリ販売会社が約2億5000万円もの景表法に基づく課徴金の納付を命じられています。

(続きは、「日本流通産業新聞」」3月4日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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