【千原弁護士の法律Q&A】▼310▲ 「メルカリ問題」で有効な方策があれば。

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〈質問〉

 ネットワークビジネス(NB)会社を経営しています。他社でも苦労しているようですが、例の「メルカリ問題」で、とても頭を悩ませています。会員が、商品をメルカリで転売してしまう問題です。NB会社は、メルカリに対して、商品の取り扱いの禁止を請求できないということは、先生の著書を読んで分かりました。ただ、当社の場合、主要な商品については、商標登録をしています。この商標権に基づいて、メルカリに、販売差し止を請求することはできないでしょうか。メルカリの販売ページを見ると、当社商品のロゴ入りの写真や、名称が記載されており、これは商標権侵害になるのでは思います。また、会員にメルカリへの転売を行わせないための有効な方策が他にあれば、他社例も含めて教えていただければと思います。(NB主宰会社社長)

〈回答〉 「商標登録」も販売差し止めはできず

 メルカリに限らず、会員が商品を安値で転売する問題でNB会社が困っているという話は、相当以前からあると思います。私の著書「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)にも書いたとおり、会社は「会員」に対しては、「規約の効力」として、転売禁止を主張しますが、「第三者であるメルカリ等の買取会社」に対しては、商品の販売差止を求める根拠がありません。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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