【千原弁護士の法律Q&A】▼306▲ 外資系NB開業時の管轄裁判所は?

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〈質問〉

 今秋、開業予定の外資系ネットワークビジネス(NB)会社の日本支社の担当者です。三つの点について質問させていただきます。(1)現在、概要書面の準備中ですが、米国本社から、米国の裁判所を訴訟管轄とするように指定されています。そのまま指示に従って、日本の法律上は問題ないでしょうか。(2)日本支社(日本で登記されています)は東京にありますが、仮に日本側の判断で、日本の裁判所を管轄裁判所とする場合、東京地方裁判所を専属管轄と記載してしまって問題ないでしょうか。(3)上記がNGの場合、地方の会員(たとえば北海道や沖縄など)から、会員住所の裁判所で提訴された場合、当社側には大変な負担になると思いますが、いかがでしょうか。(外資系NB会社日本支社長)

〈回答〉 米国裁判所を訴訟管轄とするのは不適切

 (1)日本で活動するNB会社が使用する概要書面(および契約書面)において、米国本社の裁判所を訴訟管轄とするのは、不適切です。
 たとえば多くの地方自治体における消費生活条例において、「不適切な取引行為」として「契約に関する訴訟について消費者に不当に不利な内容」とすることが挙げられています。

(続きは、「日本流通産業新聞」4月2日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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