【千原弁護士の法律Ｑ＆Ａ】▼３０４▲　４月の民法改正で契約書の見直しは？

〈質問〉

　当社は、消費者向けに、リフォーム工事と住宅設備の販売を行っています。２０２０年４月１日施行の民法改正が話題になっていますが、当社としても、「消費者との契約書の内容を見直す必要がないか？」と考えています。この点についてのアドバイスをいただければと思います。（住設販売会社社長）

〈回答〉　「契約不適合責任」の消滅時効変更を注意

　今回の民法改正は、かなり大がかりな内容であり、特に「債権法」部分の改正は、企業が行うビジネスにも大きな影響を与えそうです。各企業で、きちんと対策を検討しておかないと、思わぬ落とし穴にはまることもあると思います。

　貴社のようなリフォームを商材とする企業にとって、「絶対に注意しなければならないこと」があります。それは、リフォームなどのサービスを提供する契約について、民法改正によって、「契約不適合責任」（以前の瑕疵〈かし〉担保責任）の消滅時効の期間が、改正前の「１年」から「１０年」へと非常に長くなったことです（それぞれ引渡時から起算して）。

（続きは、「日本流通産業新聞」３月５日号で）

〈プロフィール〉
　１９６１年東京生まれ。８５年司法試験合格。８６年早稲田大学法学部卒業。８８年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、９４年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、１３０を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Ｑ＆Ａ連鎖販売取引の法律実務」（中央経済社）などがある。